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    国試過去問解説 2026-05-13

    国試過去問解説 ヘリコバクター・ピロリ感染症 国試(114F70)

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    114F70
    本問は,114F69~71の連問の一部です。

     76歳の女性。胃癌の治療のため来院した。
    現病歴:健康診断の上部消化管内視鏡検査と生検で胃癌と診断されたため治療の目的で受診した。同健康診断で血中Helicobacter pylori抗体陽性を指摘された。
    既往歴:20年前から高血圧症で自宅近くの診療所に通院中。
    生活歴:夫と長女の家族と暮らしている。喫煙歴と飲酒歴はない。
    家族歴:父親が心筋梗塞。母親が胃癌。
    現 症:意識は清明。身長157cm,体重48kg。体温36.5℃。脈拍76/分,整。血圧132/86mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
    検査所見:血液所見:赤血球418万,Hb 12.7g/dL,Ht 40%,白血球4,300,血小板22万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL,アルブミン4.0g/dL,総ビリルビン0.8mg/dL,AST 25U/L,ALT 19U/L,LD 193U/L(基準120~245),ALP 147U/L(基準115~359),尿素窒素18mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,Na 139mEq/L,K 4.4mEq/L,Cl 103mEq/L。上部消化管内視鏡像を別に示す。

    その後の経過:病理組織結果から治癒切除と診断し、上部消化管内視鏡検査で切除治療後の潰瘍の治癒を確認した。その後、Helicobacter pyloriに対する除菌治療を行うことにした。医師と患者の会話を以下に示す。
    医師:「①ピロリ菌の除菌治療のためにNSAIDと3種類の抗菌薬を処方します。②1日3回朝昼晩で、1か月間服用していただきます。今までにお薬のアレルギーはありませんか」
    患者:「ありません」
    医師:「副作用として下痢や皮疹がみられることがありますが、③副作用が出ても我慢して内服を続けてください」
    患者:「わかりました」
    医師:「④除菌が成功すると胃癌は発生しなくなりますが、⑤1〜2年に1度は胃の内視鏡検査を受けることをお勧めします」
    患者:「わかりました」
    医師:「除菌ができたかどうかは2か月後に検査をします」
    下線部のうち適切なのはどれか。


    答え
    不正解❌

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    ピロリ菌感染により萎縮性胃炎を発症し、これが分化型胃癌のリスクとなる。ピロリ菌を除菌することで分化型胃癌の発症リスクを下げることが望ましい。本問は除菌についての知識が問われている設問である。

    a 一次除菌においてはPPI、クラリスロマイシン、アモキシシリンの3剤を用いる。NSAIDを用いることはありえない。(胃潰瘍の原因になりうる)よってaは×。

    b 除菌薬の服用は1日3回朝昼晩で1ヵ月ではなく、1日2回朝晩で1週間服用するのが正しい。よってbも×。

    c 副作用としての下痢や皮疹がより悪化し、重症となるケースも考えられるため、医師の発言として副作用について状況にかかわらず我慢して服用の継続を指導するのはかなり問題である。よってcは×。

    d 除菌に成功することで胃癌の発生率は下がると考えられるが、今に至るまでのピロリ菌感染による胃粘膜の萎縮などの変化の積み重ねがあるため、胃癌の発生率がゼロになるということはない。よってdは×。

    e 除菌が成功したとしても、胃癌の発生リスクはゼロにはならない。加齢などによって胃癌のリスクが上がっていくのに対し、早期発見を目的として1~2年に1度の胃の内視鏡検査は必要であると考えられる。よってeが○である。

    本記事執筆のエビデンスにつきましては、こちらをご覧ください。

    連載: 国試過去問解説